掲載作品のデザイナー・インタビュー

Lulu by Rosemary (Romi) Hill

Lulu by Rosemary (Romi) Hill

フリルがたくさんついているのに爽やかで、甘すぎないそのバランスが絶妙なショール、LuluをデザインしてくれたRomiさんにお話を伺っています。クロアチアの伝統的なタトゥーについて紹介してくれており、興味深いです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Romi: 祖母がかぎ針で編んだディッキーがデザインのベースになっています。ニッターとして、彼女の美しいかぎ針編みと同じ感覚を呼び起こすレース模様を考えるのは、チャレンジングな試みでした。彼女の作品は、小さな鉄製のかぎ針と細いコットンで作られたものです。それを、より厚みのあるウールで編めるようにしたかったんです。 amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Romi: 鳩の羽のような紫がかったグレーか、くすんだピンクで編みたいです。 amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか?Romi: 手芸が得意で、素晴らしいかぎ針編みの編み手である母と祖母に育てられたので、4歳の時からかぎ針編みや刺繍、縫い物を教わっていました。しかし私は棒針編みの編み地に夢中で、母に教えてくれるよう何度も懇願しました。そして、私が9歳の時に母がやっと許してくれたんです。 amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Romi: 私が育ったサンフランシスコのベイエリア(カリフォルニア州北部)にある、Muirの森です。何時間もかけてそこでハイキングしたものでした。駐車場近くの低地はいつも混雑していましたが、山の上の方に登ると、人が少なくなります。そこは魔法のような魅力的な場所でした。お気に入りの小川があり、座って、ザリガニを観察して過ごしました。 amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Romi: 私はアメリカ生まれですが、父方の家系はクロアチアです。なので、女性の手や手首に入れるクロアチアの伝統的なタトゥーに興味があります。オスマン帝国時代、クロアチアの少女たちはしばしば村から連行されていました。タトゥーの伝統はその時代より前に遡るものですが、連れて行かれた先で、タトゥーは彼女たちの宗教や故郷を思い起こすきっかけになったのです。私はタトゥーの模様や意味合いが大好きです。共同体や自然、家族が共通のテーマになっています。少女たちは儀式で年長の女性たちからタトゥーを施されます。本当に美しい手仕事だと思います。少しでも多くのことを知りたいと思っています! Romiさん、ありがとうございました!

Lulu by Rosemary (Romi) Hill

フリルがたくさんついているのに爽やかで、甘すぎないそのバランスが絶妙なショール、LuluをデザインしてくれたRomiさんにお話を伺っています。クロアチアの伝統的なタトゥーについて紹介してくれており、興味深いです。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Romi: 祖母がかぎ針で編んだディッキーがデザインのベースになっています。ニッターとして、彼女の美しいかぎ針編みと同じ感覚を呼び起こすレース模様を考えるのは、チャレンジングな試みでした。彼女の作品は、小さな鉄製のかぎ針と細いコットンで作られたものです。それを、より厚みのあるウールで編めるようにしたかったんです。 amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Romi: 鳩の羽のような紫がかったグレーか、くすんだピンクで編みたいです。 amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか?Romi: 手芸が得意で、素晴らしいかぎ針編みの編み手である母と祖母に育てられたので、4歳の時からかぎ針編みや刺繍、縫い物を教わっていました。しかし私は棒針編みの編み地に夢中で、母に教えてくれるよう何度も懇願しました。そして、私が9歳の時に母がやっと許してくれたんです。 amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Romi: 私が育ったサンフランシスコのベイエリア(カリフォルニア州北部)にある、Muirの森です。何時間もかけてそこでハイキングしたものでした。駐車場近くの低地はいつも混雑していましたが、山の上の方に登ると、人が少なくなります。そこは魔法のような魅力的な場所でした。お気に入りの小川があり、座って、ザリガニを観察して過ごしました。 amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Romi: 私はアメリカ生まれですが、父方の家系はクロアチアです。なので、女性の手や手首に入れるクロアチアの伝統的なタトゥーに興味があります。オスマン帝国時代、クロアチアの少女たちはしばしば村から連行されていました。タトゥーの伝統はその時代より前に遡るものですが、連れて行かれた先で、タトゥーは彼女たちの宗教や故郷を思い起こすきっかけになったのです。私はタトゥーの模様や意味合いが大好きです。共同体や自然、家族が共通のテーマになっています。少女たちは儀式で年長の女性たちからタトゥーを施されます。本当に美しい手仕事だと思います。少しでも多くのことを知りたいと思っています! Romiさん、ありがとうございました!

Umibata by Tokuko Ochiai

Umibata by Tokuko Ochiai

今日はamirisuのトクコへのインタビューです。海と聞いて、皆さんが思い浮かべるのはどんな海でしょうか?繊細なストライプ模様のベストUmibataは、子供の頃のトクコが眺めていた海の景色を想像しながら編んでほしい一着です。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Tokuko: Heritageということで生まれ故郷の長崎で何かないかと考え、お題を海としましたが、この模様と形に辿り着くまでにスワッチをたくさん編み、かなり逡巡しました。裏編みで編むぼんやりとした線と、ストライプの幅が狭まっていく模様で、リアス式海岸の海を表しています。 amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Tokuko: 今、amirisuには在庫がなくて申し訳ないのですが、黒とグレーのようなシックな色合いで編みたいと思います。 amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Tokuko: 実は長崎には高校生までしかいませんでしたので、自分の中にそこまでの蓄積はないのですが、外海エリアは景色もよく、キリシタンの歴史なども見ることができて、いいドライブコースだと思います。 amirisu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Tokuko: 長崎は波佐見町の焼き物が有名です。隣の佐賀県には有田焼がありますし、今でも器選びは大好きです。私はなんと大学生で家を出る時に実家から持ってきた有田焼のお皿3種類ほどまだ使っています。磁器ですので持ちがよく、飽きがこないデザインなんだと思います。 トクコさん、ありがとうございました!

Umibata by Tokuko Ochiai

今日はamirisuのトクコへのインタビューです。海と聞いて、皆さんが思い浮かべるのはどんな海でしょうか?繊細なストライプ模様のベストUmibataは、子供の頃のトクコが眺めていた海の景色を想像しながら編んでほしい一着です。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Tokuko: Heritageということで生まれ故郷の長崎で何かないかと考え、お題を海としましたが、この模様と形に辿り着くまでにスワッチをたくさん編み、かなり逡巡しました。裏編みで編むぼんやりとした線と、ストライプの幅が狭まっていく模様で、リアス式海岸の海を表しています。 amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Tokuko: 今、amirisuには在庫がなくて申し訳ないのですが、黒とグレーのようなシックな色合いで編みたいと思います。 amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Tokuko: 実は長崎には高校生までしかいませんでしたので、自分の中にそこまでの蓄積はないのですが、外海エリアは景色もよく、キリシタンの歴史なども見ることができて、いいドライブコースだと思います。 amirisu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Tokuko: 長崎は波佐見町の焼き物が有名です。隣の佐賀県には有田焼がありますし、今でも器選びは大好きです。私はなんと大学生で家を出る時に実家から持ってきた有田焼のお皿3種類ほどまだ使っています。磁器ですので持ちがよく、飽きがこないデザインなんだと思います。 トクコさん、ありがとうございました!

Scallops and Blooms by Dianna Walla

Scallops and Blooms by Dianna Walla

皆さん、24号のKALへの参加表明はすみましたか?8月末まで開催していますので、途中経過や編み上がった作品に #amirisu24kal のタグを付けて投稿してくださいね。さて、22号、23号に引き続き、今回も素晴らしいニットをデザインしてくれたDiannaさんにお話を伺っています。かぎ針と刺繍も使って作るレトロなショールは、使いやすさ抜群ですよ。   amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Dianna: このデザインを通して、デザイナーとしてのスキルを伸ばすことができたと思います。過去にも、かぎ針編みと棒針編みを組み合わせたパターンを書きましたが、一つのパターンの中で異なる手法を使うのはいつも少し難しいものです。このデザインは、棒針編み、かぎ針編み、そして刺繍を使います!それぞれのテクニックは比較的シンプルにしたので、もしこのうちのどれかのテクニックが初めての方がいらしても、気軽にトライしてもらえると思います。   amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Dianna: 淡い色と濃い色を両方使うとき、私はいつもオリジナルの色の組み合わせをひっくり返してみたくなります。このパターンも、ひっくり返してみて濃い色に淡い色をアクセントにしてみるのはどうでしょう?オリジナルと同じ深緑とベージュでも、配置を逆にすると、見た目も雰囲気もかなり違ってくるはずです!   amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Dianna: ノルウェーのトロンハイムには、フィヨルドに沿って数キロにわたって続くラデスティアンという遊歩道があり、私のお気に入りの場所のひとつです。近隣の町からもアクセスしやすく、街から離れることなく自然と触れ合えます。1年を通して季節ごとに植物相が変化しますが、私がいちばん好きなのは春です。白いウッドアネモネがようやく花を咲かせるときで、それでようやく春が来たと実感します。水辺の景色も美しく、道中には小さなカフェもいくつかあるので、天気の良い日に立ち寄っておやつを食べるのにも最適なスポットです。    amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Dianna: 私はノルウェーに住んでいます。ノルウェー出身ではないのですが、ノルウェーのテキスタイルにとても興味があります!最近は、織物の伝統、特に芸術としてのタペストリー織りや、女性アーティストや織物職人についての本を読んでいます。タペストリーはクリエイティブな表現の手段として興味深いものだと思いますし、昔から明らかに政治的なものでもありました(そして、今もそうです!)。もしタペストリー織りに興味を持たれた方は、Hannah RyggenとFrida Hansenという2人のアーティストをチェックしてみるのがおすすめです。 Diannaさん、ありがとうございました。

Scallops and Blooms by Dianna Walla

皆さん、24号のKALへの参加表明はすみましたか?8月末まで開催していますので、途中経過や編み上がった作品に #amirisu24kal のタグを付けて投稿してくださいね。さて、22号、23号に引き続き、今回も素晴らしいニットをデザインしてくれたDiannaさんにお話を伺っています。かぎ針と刺繍も使って作るレトロなショールは、使いやすさ抜群ですよ。   amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Dianna: このデザインを通して、デザイナーとしてのスキルを伸ばすことができたと思います。過去にも、かぎ針編みと棒針編みを組み合わせたパターンを書きましたが、一つのパターンの中で異なる手法を使うのはいつも少し難しいものです。このデザインは、棒針編み、かぎ針編み、そして刺繍を使います!それぞれのテクニックは比較的シンプルにしたので、もしこのうちのどれかのテクニックが初めての方がいらしても、気軽にトライしてもらえると思います。   amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Dianna: 淡い色と濃い色を両方使うとき、私はいつもオリジナルの色の組み合わせをひっくり返してみたくなります。このパターンも、ひっくり返してみて濃い色に淡い色をアクセントにしてみるのはどうでしょう?オリジナルと同じ深緑とベージュでも、配置を逆にすると、見た目も雰囲気もかなり違ってくるはずです!   amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Dianna: ノルウェーのトロンハイムには、フィヨルドに沿って数キロにわたって続くラデスティアンという遊歩道があり、私のお気に入りの場所のひとつです。近隣の町からもアクセスしやすく、街から離れることなく自然と触れ合えます。1年を通して季節ごとに植物相が変化しますが、私がいちばん好きなのは春です。白いウッドアネモネがようやく花を咲かせるときで、それでようやく春が来たと実感します。水辺の景色も美しく、道中には小さなカフェもいくつかあるので、天気の良い日に立ち寄っておやつを食べるのにも最適なスポットです。    amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Dianna: 私はノルウェーに住んでいます。ノルウェー出身ではないのですが、ノルウェーのテキスタイルにとても興味があります!最近は、織物の伝統、特に芸術としてのタペストリー織りや、女性アーティストや織物職人についての本を読んでいます。タペストリーはクリエイティブな表現の手段として興味深いものだと思いますし、昔から明らかに政治的なものでもありました(そして、今もそうです!)。もしタペストリー織りに興味を持たれた方は、Hannah RyggenとFrida Hansenという2人のアーティストをチェックしてみるのがおすすめです。 Diannaさん、ありがとうございました。

Koto by Yucca

Koto by Yucca

セーターなど大きなプロジェクトを編むのが大変な暑い夏でも、いつでもどこでも編めてしまう靴下。amirisu24号には靴下パターンが2つ載っています。そのうちの一つが、日本の古都、京都が好きな人にとってはたまらないKoto。デザイナーのYuccaさんにお話を伺っていきます。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか? Yucca: 苦労というほどではありませんが、茜染めのTrekが、レギュラーのカラーのTrekとはゲージがすこし違ったところが、こんなこともあるんだなと勉強になりました。(そこまで差が大きいわけではないので、全く同じゲージで編める方もいらっしゃると思います) amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか? Yucca: Trekから選ぶならLichen amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか? Yucca: はじめは母に教わり、その後、授業で習う機会があったこと。 amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。 Yucca: 鴨川。京都市内を23kmに渡って流れる川です。鴨川デルタと呼ばれる三角州があり、サギ、鴨、トンビなどのいろんな鳥や、たまに鹿がいたり、老若男女いろんな人がのびのび自由に過ごしています。 amirisu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。 Yucca: こぎん刺し。はじめてこぎんに触れたのは、東北の祖母や叔母が刺した作品だったと思います。こぎんの役割には靴下のダーニングとも通じるものがあります。こぎん刺しの図案を取り入れた「Woolly Kogin」という靴下のパターンを作ったことがあります。編地に毛糸で刺しても、本当のこぎんとは別物ですが、靴下編みがこぎん刺しを知るきっかけになったら面白いな、という気持ちで作りました。こぎんの歴史にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。 Yuccaさん、ありがとうございました。

Koto by Yucca

セーターなど大きなプロジェクトを編むのが大変な暑い夏でも、いつでもどこでも編めてしまう靴下。amirisu24号には靴下パターンが2つ載っています。そのうちの一つが、日本の古都、京都が好きな人にとってはたまらないKoto。デザイナーのYuccaさんにお話を伺っていきます。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか? Yucca: 苦労というほどではありませんが、茜染めのTrekが、レギュラーのカラーのTrekとはゲージがすこし違ったところが、こんなこともあるんだなと勉強になりました。(そこまで差が大きいわけではないので、全く同じゲージで編める方もいらっしゃると思います) amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか? Yucca: Trekから選ぶならLichen amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか? Yucca: はじめは母に教わり、その後、授業で習う機会があったこと。 amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。 Yucca: 鴨川。京都市内を23kmに渡って流れる川です。鴨川デルタと呼ばれる三角州があり、サギ、鴨、トンビなどのいろんな鳥や、たまに鹿がいたり、老若男女いろんな人がのびのび自由に過ごしています。 amirisu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。 Yucca: こぎん刺し。はじめてこぎんに触れたのは、東北の祖母や叔母が刺した作品だったと思います。こぎんの役割には靴下のダーニングとも通じるものがあります。こぎん刺しの図案を取り入れた「Woolly Kogin」という靴下のパターンを作ったことがあります。編地に毛糸で刺しても、本当のこぎんとは別物ですが、靴下編みがこぎん刺しを知るきっかけになったら面白いな、という気持ちで作りました。こぎんの歴史にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。 Yuccaさん、ありがとうございました。

Madara by Inese Sang

Madara by Inese Sang

今日は、いつもキュートなショールをデザインしているIneseさんにお話を伺っています。今回amirisuのためにデザインしてくれたMadaraも、ボッブルとスカラップが生み出す可愛らしい模様や色使いに一目惚れでしたね。大きいけれど、飽きることなくサクサク編めそうです。   amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Inese: 挑戦は、学び、解決策を見つけるために不可欠なプロセスです。Madaraのデザイン過程でもっとも大変だったのは、メインカラーで作るスカラップの間に配色糸を長く渡らせることでした。スカラップは裏編みで編むので、渡り糸を表から見えないように編みくるむのが難しいのです。そこで、渡り糸を安全に、かつ見えないように編みくるむために、スカロップの縁を表編みにしてみました。こうすることで結局、スカロップに絶妙な起伏のある質感が加わり、素敵な仕上がりになりました。とても気に入っています。   amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Inese: サンプルと同じような、コントラストがあまりない組み合わせが好きです。もし他の色で編むとしたら、MCはやはりライトグレーで、CCには淡くくすんだデニムブルーを使ってみたいですね。濃いめのグレーに赤茶色を合わせてみても素敵だと思います。   amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか?Inese: 祖母が編んだミトンや母が編んだ服に憧れて、子どもながらに自分の手で作ったものを身につけるということに魅力を感じていました。最初の編み物の先生は母でした。さらに学校でも編み物の授業があり、ラトビアの伝統的なミトンや靴下の編み方の基本を学びました。 その後はしばらく編み物から遠ざかっていたのですが、息子が産まれた時に再開しました!編み物の記憶は常に心の奥底にあったのだと思います。ものづくりへの情熱が蘇り、気がつけば編み物は日常になっていました。   amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Inese: 私は、水に囲まれたラトビアの小さな町で育ちました。川まで歩いて行ける距離で、かつ森の湖や海までも車で数分のところに住んでいました。だから、水辺にいるのが本当に大好きなんです。 一番好きな場所は、バルト海の静かで広大な白い砂浜です。波の音を聞きながら海岸沿いを歩き、海や空の色が季節ごとにどう移り変わるのかを観察し、リラックスして何時間も過ごすことができる場所です。   amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Inese: テーブルクロスやタオル、ベッドカバーに使われるラトビアの伝統的なリネン織りが大好きです。コントラストの低い2色の無染色のリネンを縦糸と横糸に使います。そのため、模様は直射日光の下ではほとんど目立ちませんが、斜めの光や間接光の下では姿を現すんですよ。 ラトビアの伝統的なシンボルや遺産を反映した、複雑な織りのパターンを研究するのが好きなんです。リネンで織られたテーブルランナーを家にいつも置いています。それは私のルーツを思い起こさせ、細部の美しさに気がつくきっかけになってくれています。   Ineseさん、ありがとうございました。 

Madara by Inese Sang

今日は、いつもキュートなショールをデザインしているIneseさんにお話を伺っています。今回amirisuのためにデザインしてくれたMadaraも、ボッブルとスカラップが生み出す可愛らしい模様や色使いに一目惚れでしたね。大きいけれど、飽きることなくサクサク編めそうです。   amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Inese: 挑戦は、学び、解決策を見つけるために不可欠なプロセスです。Madaraのデザイン過程でもっとも大変だったのは、メインカラーで作るスカラップの間に配色糸を長く渡らせることでした。スカラップは裏編みで編むので、渡り糸を表から見えないように編みくるむのが難しいのです。そこで、渡り糸を安全に、かつ見えないように編みくるむために、スカロップの縁を表編みにしてみました。こうすることで結局、スカロップに絶妙な起伏のある質感が加わり、素敵な仕上がりになりました。とても気に入っています。   amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Inese: サンプルと同じような、コントラストがあまりない組み合わせが好きです。もし他の色で編むとしたら、MCはやはりライトグレーで、CCには淡くくすんだデニムブルーを使ってみたいですね。濃いめのグレーに赤茶色を合わせてみても素敵だと思います。   amirisu: 編み物を始めたきっかけは何でしたか?Inese: 祖母が編んだミトンや母が編んだ服に憧れて、子どもながらに自分の手で作ったものを身につけるということに魅力を感じていました。最初の編み物の先生は母でした。さらに学校でも編み物の授業があり、ラトビアの伝統的なミトンや靴下の編み方の基本を学びました。 その後はしばらく編み物から遠ざかっていたのですが、息子が産まれた時に再開しました!編み物の記憶は常に心の奥底にあったのだと思います。ものづくりへの情熱が蘇り、気がつけば編み物は日常になっていました。   amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Inese: 私は、水に囲まれたラトビアの小さな町で育ちました。川まで歩いて行ける距離で、かつ森の湖や海までも車で数分のところに住んでいました。だから、水辺にいるのが本当に大好きなんです。 一番好きな場所は、バルト海の静かで広大な白い砂浜です。波の音を聞きながら海岸沿いを歩き、海や空の色が季節ごとにどう移り変わるのかを観察し、リラックスして何時間も過ごすことができる場所です。   amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Inese: テーブルクロスやタオル、ベッドカバーに使われるラトビアの伝統的なリネン織りが大好きです。コントラストの低い2色の無染色のリネンを縦糸と横糸に使います。そのため、模様は直射日光の下ではほとんど目立ちませんが、斜めの光や間接光の下では姿を現すんですよ。 ラトビアの伝統的なシンボルや遺産を反映した、複雑な織りのパターンを研究するのが好きなんです。リネンで織られたテーブルランナーを家にいつも置いています。それは私のルーツを思い起こさせ、細部の美しさに気がつくきっかけになってくれています。   Ineseさん、ありがとうございました。 

Saltkaret by Sari Nordlund

Saltkaret by Sari Nordlund

今回は、ため息が出るほど美しい編み込みのセーターをデザインしてくれたSariさんにお話を伺いました。 美しい自然と豊かな伝統工芸を体験しにフィンランドに行ってみたくなります。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Sari: 19世紀以降、フィンランド西部で編まれてきた伝統的なセーターKorsnäsをもとにデザインしました。元々のオリジナルのKorsnäsは、ボクシーフィットで、棒針編みとかぎ針編みのパーツが組み合わさっているのが特徴です。もっとも苦労したのは、伝統的なセーターの雰囲気を残しつつ、丸ヨークにすることでモダンにアレンジしたところ。また、かぎ針編みの要素を棒針で表現するにはどうしたらいいかについても、長い時間考えました。   amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Sari: Korsnäsセーターは、白のベースに赤色の模様が乗り、さらにアクセントに緑が加わっているものが多いです。その伝統的な色合わせを試してみるのは面白そう!もし自分のために編むなら、ワードローブに合うよう、白、黒、グレーのモノクロなコンビネーションにすると思います。   amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Sari: 私はフィンランド西海岸にあるPietarsaariという小さな町で育ちました。美しい森に囲われ、さらさらの砂と気持ちの良い岩があるFäbodaビーチが大好きです。私たちは、よくそこへ泳ぎに行き、水平線に沈む夕日を眺めたものです。冬になって海が凍ると、氷の上をハイキングしに出かけていました。 amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Sari: フィンランドにはかぎ針編みのタペストリーの豊かな伝統があります。私もぜひとも学んでみたいと思っているところです! そして、彫刻についてももっと学びたいです。これまでに何回か木彫りに挑戦したことがあるのですが、楽しいと同時に、とても難しかったです!自然の木材のびっくりするほどの美しさが宿っている、スプーンなどの手彫りの道具が大好きです。

Saltkaret by Sari Nordlund

今回は、ため息が出るほど美しい編み込みのセーターをデザインしてくれたSariさんにお話を伺いました。 美しい自然と豊かな伝統工芸を体験しにフィンランドに行ってみたくなります。 amirisu: デザインの過程で、どんな苦労や工夫がありましたか?Sari: 19世紀以降、フィンランド西部で編まれてきた伝統的なセーターKorsnäsをもとにデザインしました。元々のオリジナルのKorsnäsは、ボクシーフィットで、棒針編みとかぎ針編みのパーツが組み合わさっているのが特徴です。もっとも苦労したのは、伝統的なセーターの雰囲気を残しつつ、丸ヨークにすることでモダンにアレンジしたところ。また、かぎ針編みの要素を棒針で表現するにはどうしたらいいかについても、長い時間考えました。   amirisu: もう一枚編むとしたら何色で編みますか?Sari: Korsnäsセーターは、白のベースに赤色の模様が乗り、さらにアクセントに緑が加わっているものが多いです。その伝統的な色合わせを試してみるのは面白そう!もし自分のために編むなら、ワードローブに合うよう、白、黒、グレーのモノクロなコンビネーションにすると思います。   amirisu: あなたの住む町や生まれ育った町の好きな場所はどこですか?簡単に紹介してください。Sari: 私はフィンランド西海岸にあるPietarsaariという小さな町で育ちました。美しい森に囲われ、さらさらの砂と気持ちの良い岩があるFäbodaビーチが大好きです。私たちは、よくそこへ泳ぎに行き、水平線に沈む夕日を眺めたものです。冬になって海が凍ると、氷の上をハイキングしに出かけていました。 amirsiu: あなたの国や地域に伝わる手工芸や技術について、好きなものを一つ選んで教えてください。Sari: フィンランドにはかぎ針編みのタペストリーの豊かな伝統があります。私もぜひとも学んでみたいと思っているところです! そして、彫刻についてももっと学びたいです。これまでに何回か木彫りに挑戦したことがあるのですが、楽しいと同時に、とても難しかったです!自然の木材のびっくりするほどの美しさが宿っている、スプーンなどの手彫りの道具が大好きです。